わくわく手づくりファーム川北 現状と指針

◎わくわく手づくりファーム川北の現状
(弊社の立場)弊社は言うまでもなく企業であり、公の施設いわゆる第三セクターではない。(地域の人々の中には思い違いをしている方もいる。)この形式をとったのも自由な経営ができるという考えからではある。しかし、第三セクターと違い、地域の活性化に貢献するボランティア的活動だけでは運営はままならない。売上や経費削減などの企業には当たり前な問題に、常時直面しなければならない厳しさがある。また自由な面があると言っても助成を受けた施設である産直物産館・地ビール醸造所はある程度国や町からの制約があることも否めない。

(認知度)
テレビCMや新聞広告などの積極的な有料宣伝活動は行っておらず、ほとんど人々の「口コミ」に頼るところが大きい。町とのつながりや個性的な活動が多いことから地域の新聞や雑誌などの記事として採り上げられることも多いので、そこから世間に知られ、また「口コミ」につながり、現在知る人ぞ知るといった認知度のようである。(地ビール)ビール麦の作付けは順調で、2等級の認定を受けてからその品質を保っている。麦だけに留まらず大豆の栽培をはじめ、その製品開発にも力を注いでいる。また麦の開発製品であるオリジナルビールについての評判は上々で、外部販売が営業活動も効し伸びてきている。(産直物産館)産直物産館は「安くてよいもの」「おもしろいものがいろいろある」というよいイメージが定着しつつあるので、顧客数は日々安定しつつある。しかし、敷地内の間取り・顧客の利用勝手のよさ・より安定した仕入れ・販売員の質向上などまだまだ改善すべきことは多い。
◎わくわく手づくりファーム川北が抱える問題点と解決への指針
地ビールの価格設定…大手ビール会社のビールに比べれば高価格なのは否めない。大手メーカーの安価はオートメーションや安い輸入麦・副原料など企業努力の賜物であるが、弊社の地ビールは小規模で、ほとんどが手作業、原材料の地元産麦やコシヒカリ米など価格が高い。結果高価格になってしまう。今日、地ビールはぜいたく品であり、気軽に普段から購入しにくい。
(解決策)価格は現時点で下げることは難しいが、製品に不可価値をつけ、それを理解してもらう努力をする。たとえば「他にはないユニークな風味である」「原料にこだわりそれがかえがたいおいしさにつながる」「活きた酵母が入っているので身体にいい」など事実に基づいた広報・営業・販売活動を実施する。●産直物産館における農産物の確保…地域の農家だけに頼っている仕入れでは、時期によって継続的に商品を揃えることができない。たとえば稲作農家が多く、田植え時や刈取り時に副業である「畑もの」にまで手が回らず、納品できない。あと雪深い北陸の気候では冬季の畑作栽培や、果樹栽培など代わる産業が貧弱であることから、地域の生鮮物は品薄にならざるを得ない。
(解決策)根本的な解決は不可能にしろ、近隣地域にこだわらず、しっかりとした遠方の生産地とつながりを持ち、生産にこだわった商品を仕入れていく。実際、以前弊社へ視察に訪れた信州のリンゴ農家の方や、大正メークインの産地のJAより商品を送ってもらった実例もある。これからもそういった遠隔地の生産者とつながりを広めていければよりよい産直物産館になるのではないか。